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スナック・ママとバーテン見習いボクの同棲生活

オリジナル小説です。

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第9章 -01

2013.07.09 (Tue)
八月のお盆休みは14日の日曜日と15日の月曜日であった。
ママの息子さんが奥さんと子供を連れて遊びにやって来る事になっていた。

「いいじゃない。息子には一緒に住んでいる彼氏だって紹介するから」

「まずいよ。年の離れた男と母親が同棲しているなんて知ったら心配するに決まってるじゃん」

息子さんはボクより3つ下の33だ。
同い年の奥さんと5歳になる男の子の3人で埼玉県の蕨市に住んでいるそうだ。

ママは28の時に働いていた銀座のクラブで知り合った8つ上の男性と結婚した。
お相手の男性は上場企業に勤めるサラリーマンで羽振りもよく、ママは水商売から足を洗い専業主婦に専念したそうだ。
翌年に妊娠し30の時に息子さんを出産した。

郊外に買った一戸建てに引越し、幸せな結婚生活が一生続くと思っていたが……。

男性の羽振りよさは親の遺産によるものであった。
更に男性には浪費癖があり親の遺産を食い潰すと借金をするようになり、会社にまで借金取りが押しかける事態になるにはそう時間はかからなかった。

男性は会社をクビになり、昼間から酒を飲み、酔うとママに暴力を振るうようになった。
5年の結婚生活に終止符を打って、幼い息子さんと家を出たそうだ。

土曜日の夜に店が終わると、ボクはママのマンションへは戻らなかった。
3つしか年の違わないママの息子さんにどんな顔をして会えばいいのかわからないし、この2日間には予定が入っていた。

ボクは駅前にあるファミレスに向かった。
店に入ると先に上がったミミちゃんが笑顔で手を振っている。

2人で食事をしてボクたちはミミちゃんの部屋へ向かった。
ボクのアパートとは逆方向に駅から歩いて15分ほどの場所にミミちゃんが住んでいるアパートがある。
6畳の2間と3畳ほどのキッチンに風呂とトイレは別々だ。

2度目にミミちゃんと店が終わった後、飲みに行ったときに彼女が言った。

「今夜はどうする? あたしんち来る?」

ボクのアパートは風呂がないし、そう度々ラブホテルを利用するほどお金に余裕もない。
まして店が終わってからの深夜だとラブホテルも宿泊料金で高くつく。

誘ってくるのはいつもミミちゃんからだ。
土曜の夜に店が終わりの時間が近づくと、彼女がメールを送ってくる。

〈今夜どう?〉

ボクはママに気づかれないようにメールを返す。

〈いいですよ〉

〈じゃあ、いつものファミレス〉

〈了解〉

こんなやり取りで、最後の客が帰ると彼女は帰り支度を始める。

「幸子ママ。あたしも失礼します。お疲れ様でした」

と売上げの計算をカウンターで始めたママの背中に向かって言う。
手元の計算に忙しいママは顔も上げずに返事を返す。

「はい。お疲れ様でした。来週もよろしくね」

ミミちゃんは荷物を持って店のドアを出る前に、ボクに笑顔で手を振ってウィンクしてくる。この瞬間にママが計算している伝票の手元から顔を上げて後ろを振り向いたりでもしたら。と思うと冷や汗が出た。

「お盆休みはあんた何してるの?」

ミミちゃんの部屋で事が終わって、股間にティッシュを挟んだままタオルケットを掛けたミミちゃんが言った。

「お盆休み? 別に用事もないし部屋でゴロゴロしてるんじゃないかなぁ」

この時までボクは何も考えていなかった。
ママのマンションでのんびり過ごして、日曜日はJRAの馬券を買って、月曜日は南関4場の公営競馬でもやろうと思っていた。
だが、ママの息子さんとその家族が遊びに来ることになっているのを思い出した。

「暇だったらさぁ。どこか遊びに行かない?」

「どこかって……何処へ? ボク金無いから旅行とか無理だよ。それにこの時期はどこも高いし、一週間前から宿を取ろうなんて無理だよ」

「旅行だなんて言ってないでしょ!確かにあたしだって温泉旅行とかしてみたいけど……。もう何年も旅行なんてしてないわ」

「じゃあ、どこに行きたいの?」

「遊園地とかどうかしら」

そんな話の流れでボクたちは浅草の花やしきに行くことに決めていた。



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