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スナック・ママとバーテン見習いボクの同棲生活

オリジナル小説です。

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第8章 -03

2013.07.07 (Sun)
ようやくガード下の店から出てきた英理子さんと御徒町のお好み焼き屋に入った。

喉も渇いたので生ビールを2杯と、ボクはブタ玉モダン焼き、彼女はエビ玉モダン焼きを注文した。
テーブルに埋め込まれた鉄板の上で店員が焼いてくれるのはありがたい。

生ビールを飲みながらモダン焼きが焼き上がるのを待っていると彼女が先ほど小物雑貨の店で買った携帯ストラップを取り出した。

「2つ買ったの。ひとつショウくんにあげるね」

「悪いからいいよ。ストラップなら付いてるし」

「もうボロボロじゃない」

確かにボクの携帯ストラップはボロボロだった。
紐の部分に巻きつた糸が剥げて半透明のワイヤーが剥き出しになっている。

「いいから。携帯貸して。付け変えてあげるから」

彼女は器用にボロボロの携帯ストラップを外し、小さなクマのマスコットが付いた携帯ストラップに交換した。

「ほら、可愛いでしょう」

ニヤリと笑った彼女の口元からまた八重歯が見えた。

携帯SNSサイトに登録させられた時もそうであったが、彼女にはどこか強引なところがある。
でもなぜか憎めない性格だと思った。

モダン焼きが焼きあがり、それぞれを半分ずつ交換して食べた。
彼女はあまりお酒を飲まないようで、彼女はボクの残りが僅かになった生ビールのジョッキと半分以上残っている自分のジョッキを交換した。

〈間接キスになっちゃうじゃん……〉

年齢も離れているし、肉体関係もないのに気軽に生ビールのジョッキを交換する彼女の真意を考えると妙な気持ちになった。

約束通りお好み焼きは彼女がご馳走してくれた。
店を出ると夕暮れ時だった。
西の空が淡いオレンジに染まっていた。

「英理子さん。お腹も一杯になったから少し散歩しましょうか?」

ボクたちは松坂屋前の中央通りを渡って春日通りを湯島に向かって歩いた。

並んで歩いていると彼女が僕の腕に自分の腕を絡めてきた。

それほど道幅の広くない歩道で人とすれ違う時には、彼女の体がボクにピタリとくっつく。

お好み焼き屋で生ビールのジョッキを交換した時に、ボクの飲みかけだったジョッキのビールを何のためらいもなく飲んだ彼女を見て、ボクは彼女と男女関係になる事を意識した。

湯島の交差点手前で彼女の足が止まった。

「あ!ドン・キホーテがある。ねぇ、ちょっと入って見ていい?」

ボクの返事も待たずに彼女はサッサと店内に入って行ってしまった。
菓子類やハンカチやタオルなどの衣類。それとアメ横のガード下でも散々見た雑貨類などを見て周るのに付き合わされた。

〈湯島のラブホテルに行こうとしているボクを躱そうとしているのだろうか?〉

「ショウくん、見て見て」

彼女が男物のブリーフを手に取って言った。
それは象のイラストがプリントされ、鼻の部分が男性器を収めるデザインになっているものであった。

「ボクのは大きくないから、きっとブカブカだよ」

「プレゼントしてあげるから、仕事行くときに履いて」

「嫌だよ。こんなの履けないよ」

彼女はその象のブリーフを手にレジに歩き出していた。
会計を済ませ黄色い袋に入った象のブリーフをボクに渡し言った。

「はい、私からのプレゼント。履いた感想をメールでちゃんと報告してね」

いたずらっぽく笑った彼女の口元からまた八重歯が見えた。

ボクたちは湯島の交差点を渡りホテル街のある路地に入った。
彼女は何も言わず付いてくる。
裏通りにあるラブホテルにボクたちは入った。


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