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スナック・ママとバーテン見習いボクの同棲生活

オリジナル小説です。

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第1章 -03

2013.06.08 (Sat)
ママのマンションから歩いて10分ほどの場所にあるスナックに出勤するのはいつも夕方の5時半だ。店の名前は「幸子」。これはママの名前だ。
6人ほどが座れるカウンターとボックス席が2つのどこにでもある小さなスナックだ。

普段はママとバーテン見習いボクのふたりで店を切り盛りしているが、週末の金曜と土曜にはヘルプのコンパニオンが二人入る。
スナックは風営法の適用外であるから厳密には客席での接待は禁じられているが、客とカラオケを一緒に歌ったりボックス席では隣に座って客から酒をご馳走になったりしているのが現状だ。

「おはようございます」

店の準備をしているとコンパニオンの留美ちゃんが白いブラウスに黒のタイトスカートで出勤してきた。
留美ちゃんは27歳。
バツイチで子持ちだ。
昼間は子供を保育園に預けて埼玉の工場でパートとして働いているらしい。
週末は実家のお祖母ちゃんの家に子供を預けてお店に出勤してくるのでラストまで働いてもらっている。
酔ってくると客にしなだれかかり、密着度が増すのが特徴だ。
客と何やらヒソヒソ話をして、携帯のアドレスを教えあったり、水商売の業界用語で言うアフターで店が終わった後に客と食事に行ったりすることも度々だ。
店の客とホテルに行って金を貰っているのではないかとボクは思っている。
なぜならば留美ちゃん目当てで週末に訪れる客も数名いるからだ。

もうひとりのコンパニオン明日香さんはいつも開店時間のギリギリに出勤してくる。
ママは厳しいので1分でも遅刻すれば罰金を取るのだが今日は美容室に行ってまだお店に来ていないので、5分遅刻してやって来た明日香さんは助かった。
小さなお店なのでタイムカードは置いてないし、ボクもあえて告げ口などしない。

「もう切り上げようと思ったら確変引いちゃって……。止まらなくなっちゃってどうしようかと思ったのよ」

と嬉しそうに話す明日香さんは40代の人妻だ。
やや中年太りの否めないパチンコ好きで、豪快に大声で笑いよくしゃべる女性だ。

美容室で髪をアップにしてきたママが出勤してきた。
薄いブラウンに染めた髪が艶を帯びている。
白髪染めをしたので時間がかかったのかも知れない。

「ショウ君、タバコ買ってきて」

ママは店に人がいる時はボクのことを「ショウ君」と呼ぶ。

「はい、わかりました」

ボクは店の買い置きのタバコを買いにコンビニへ向かった。
店で買い置きしているタバコはマイルドセブン、セブンスター、キャビンマイルド、セーラムライトなど8銘柄だ。
震災の影響で工場がストップした為、コンビニのタバコを置いてあるショーケースに空きが目立った。
マイルドセブンもセーラムライトも売り切れだ。
いつもはカートンで買うのだが、「お一人さま二個まで」の貼り紙があるので仕方ないからセブンスターとキャビンマイルドを二個づつ買って店に戻ると常連の木村さんがビールを飲みながらカウンターを挟んで明日香さんと話していた。

木村さんは店の近くにある蕎麦屋の大旦那さんだ。短く刈った髪は真っ白で、歳は70を越えていると思われる。
店は息子さん夫婦に任せているそうだが、毎朝の仕込みには立会い打ちあがったそばとつゆの味見は欠かさない。
この時間もまだお店は営業してると思われるが、大旦那の木村さんは早めに店の仕事を切り上げてビールを飲みにやって来る。

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